中国新聞で、代表・加藤りつこの福山・盈進中高での講演について紹介されました。
阪神大震災で一人息子を亡くした広島市安佐北区の加藤りつこさん(76)が22日、広島県福山市千田町の盈進中高を訪れ、中学1年生約150人を前に講演した。発生から30年となった震災当時の様子や心境を語った。
神戸大2年だった加藤さんの長男貴光さん=当時(21)=は、下宿先のマンションが倒壊して犠牲になった。加藤さんは、余震が続く現地の遺体安置所でとっさに亡き愛息に覆いかぶさった状況などを説明。「守っても仕方ないのだと思った時に初めて涙が出た」と声を震わせた。
絶望の中で支えとなったのが、大学入学時に貴光さんから送られた手紙だった。「住む所は遠く離れていても、心は互いのもとにある」との一節を今も大事に胸に刻んでいるという。国連職員が夢で勉強熱心だった貴光さんの人柄も紹介し「勉強を積み重ねれば財産となり、さまざまな出会いにもつながる」と呼びかけた。
講演後、貴光さん宛ての手紙を発表した枝広咲希さん(13)は「目標を持って走り続けた貴光さんの姿に刺激を受けた」と話していた。
講演は加藤さんと同校のヒューマンライツ部が交流を続けている縁で、2018年から毎年開いている。