中国新聞に、「阪神淡路大地震 1.17 のつどい ヒロシマ」に関して記事が掲載されました。
6434人が死亡した阪神大震災の発生から丸30年を迎えた17日、広島市でも追悼行事が営まれた。
中区の原爆ドーム対岸には阪神大震災や西日本豪雨の被災者を含む約20人が集まり、当時に思いをはせて犠牲者に鎮魂の祈りをささげた。
神戸大2年だった長男加藤貴光さん=当時(21)=を亡くした母りつこさん(76)=安佐北区=が代表を務める市民団体など3グループが主催し、今年で5回目。神戸市の「1・17希望の灯り」から分灯した火を運び、竹と紙の灯籠約330個で「1.17」の文字を浮かび上がらせた。昨年1月に発生した能登半島地震の被災地の追悼式典で使われた紙灯籠も並べた。地震が発生した午前5時46分に全員で黙とうした。
安佐南区から夫と駆けつけた会社員沖原妃美子さん(49)は神戸市灘区のマンションで被災した。「今もあの揺れを忘られず、災害の度に被災者の力になりたいと思う。今後も命に感謝しながら生きる」。西日本豪雨で坂町小屋浦の自宅が半壊した問芝恭子さん(52)は「生き残ったゆえの『申し訳なさ』の感情を今も抱いている。何らかの形で災害を次世代に伝えていきたい」と語った。
毎年1月17日に催してきた追悼行事は30年の節目の今回で幕を下ろす。主催団体の一つ「広島と福島を結ぶ会」の内藤達郎事務局長(83)=佐伯区=は「集まって追悼することで当時を思い出す場として役割を果たせた。今後はそれぞれが心の中で追悼を続けたい」と話した。